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オイゲン・ヨッフムのCD part1 [音楽]

 先日、近所の中古CD屋さんで、聴いてみたいと思いつつ長らく入手できないでいた1枚のCDを見つけ、もちろん直ちにレジに走って我がものとした。

 曲はブルックナーの交響曲第7番であるが、私がこのCDを聴きたいと思っていた理由は、今は亡きオイゲン・ヨッフムがミュンヘンフィルハーモニーを指揮したライブ録音であり、またその録音の時期が1970年代後半だから、というものである。

DSCF1392a.jpg

 オイゲン・ヨッフムという指揮者は、私にとって大変思い出深いと言うか思い入れ深いと言うか、特別な感懐を抱く指揮者である。(別に私は音楽業界に関係があるわけでは全くないので、この思い出やらは、まったく1音楽ファンとしてのものです)
 この指揮者の名前は、クラシック音楽が好きな人なら、誰でも聞いたことくらいはあると思うが、逆にクラシックに関心がない人はおそらく誰一人として知らないであろうと思われる。この理由は彼のディスコグラフィーや演奏記録などを見れば当然のこととして了解されるのであって、すなわち彼が指揮をして演奏した曲の作曲家は主としてベートーベン、ブラームス、バッハ、ハイドン、などという、何か冗談を言われているのではないかと思うくらい、クラシック以外の何者でもない音楽、それもドイツ・オーストリアものと呼ばれる、クラシックの中の本家中の本家の音楽だけにほぼ完全に限定されているのである。
 これはカラヤンとかバーンスタインなどの、その活動が社会現象とまでなったような指揮者と比べると誠に地味であり、これではクラシック音楽に関心がない人の耳に、その名前が入ることのある方が不思議というものである。

 私がこの指揮者の演奏をレコード(当時はLP)で聴いた最初は中学2年の時であり、そのとき以来、いずれも偶然ではあるがこの指揮者についていろいろと思い出になることが生じた。そんなことで、このクラシック音楽のそのまた一部だけの世界に限定されているこの指揮者について、私は特別な感懐を抱くようになったのである。

 中学2年の時に聴いたそのLPというのは、ヨッフムがロンドン交響楽団を指揮して録音したベートーベンの「田園交響曲」であった。

Pastorale-Jochum.jpg
(何か画像がないと落ち着かないので入れただけで、このジャケットは私がここで書いているものとはまったく異なります)

 私は音楽が好きな一人として、一度はこの交響曲を全曲通して聴いてみたいと思いつつ、それまでは機会がなくて最初の有名なフレーズ以外を知らないでいたのであった。唯一の問題はLPを買う資金であったが、中学生であった私は親からもらう小遣いを3ヶ月間、すべて貯金して2500円を工面し、当時住んでいた地方都市のレコード屋に足を運んだ。
 田舎町のレコード屋のこと、この曲のLPは何枚もなかったが、私はその中から、ジャケットの表紙が一番きれいだという理由でこのLPをレジに持って行った。当時LPのジャケットにはだいたい帯が掛かっていて、そこに日本語で曲名や演奏者が印刷され、なんか一言「この曲の定番!」とか「史上最高の演奏!!」などというコメントが付け足してあったものだが、その帯にあったオイゲン・ヨッフムという指揮者の名前は私もすでに聞いたことがあるものだったので、そんな安心感もあってあまり躊躇なくこのLPは私の手に入った。こうしてこれは一中学生が自分で買った最初のLPとなり、またヨッフムという指揮者との、その後の偶然を交えた思い出が始まる、出会いともなったのであった。

 次回から2,3回、その思い出の内容について書いてみたいと思います。

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