震災その後6 子供たちに津波の痕を見せに行く [雑感、コラム]
TITULO: Observación del area destruido por el desastre Tsunami, llevando los niños ---- El area costal de la ciudad de Sendai.
今月初め、連休で仙台に行った目的の一番は、父の家の片付けと、また父に孫たちを会わせて喜んでもらうことでした。
ですが、今回は幸い、少し日程に余裕を持って仙台にいられたので、その間の半日を使い、子供たちに「被災地」を見せることにしました。 本当は無事だった親戚たちに会うために陸前高田に行き、その折に子供たちに津波の様子を見てもらうという風にしたかったのですが、連休中あちらは相当混雑したらしいので断念し、今回は仙台市沿岸部の津波被災地に行くことにしました。 そしてその様子を子供に見せるだけでなく、私自身も見ておこうと思いました。
En el area del desastre por Tsunami. El area costal de Sendai.

父の家は仙台でも少し内陸の方なので、津波の被害はまったくありませんでした。 そこから沿岸部に向かって車を走らせ、仙台の市街地を東の方角に通り抜けます。 そしてそれから10分もしないうちに、車の車窓には思わず絶句するしかないような光景が突然広がりだしました。
Se dejaron muchos carros en el arrozar, con los restos de casas destruidas y árboles abatidos.

この日は雨模様だったのですが、適当なところで車を止めて、この地域を少し歩いてみました。
やはり、実際に間近で見る津波の爪痕は、本当に心臓が飛び出しそうになるような恐ろしさと、迫力をもって迫ってきました。
まるでおもちゃのように無造作に散らばる数々の自動車。 始めからなかったかのように押しつぶされた家々。
En un area del desastre por Tsunami. Las casas eran destruidas completamente y los carros se abandonaban por aca y ahi, como los juguetes.

この近辺でよく目についたのが流木でした。 それも相当な大木ばかりです。
ちょっと見えにくいですが、写真のずっと遠景の方に松林がごく小さく写っています。 この松なんかは、おそらくあの場所からここまで流されてきたのでしょう。 すさまじい光景でした。
Un tronco de pino abatido, probablemente se llevó de la costa, que se ven muy lejos en la foto ambiguamente.

「津波の痕を見ておこう」なんて言っても、まったく実感がわかず (と言うか、何のことか分からず)、ここまでいつものようにギャーギャー騒いでいた子供たち。
でもこの光景はさすがに、こんな子供たちをすら、思わず口をつぐませ、呆然とさせてしまうに足る、あまりにも凄惨かつ恐怖に満ちたものでした。
Los niños miran la escena del desastre, perdiendo las palabras.

もし何もなければ、この頃にはすでに田植えが始まり、青々とした田園風景が広がり始めていたはずの場所。同じ子供が走るでも、こんな光景の中を走るようなことを誰が想像したことか、と考えると・・・ 絶句するしかありませんでした。
Normalmente, en este tiempo, la plantación de arroz ya debería empezar. Pero este año, no hay ninguna cosa en la tierra, y se ven solamente los restos del desastre.

その後仙台空港に移動しました。
空港のターミナルビルはいまだに閉鎖されたままです。 仮囲いの隙間から中をのぞくと、建物の中は一面の泥で、さすがにこれでは再開できないのも、むべなるかなです。
実際にはこの日にはすでに一部の航空路の運行が再開しており、ターミナルはかろうじて片付けたほんの一角を使っていました。
なお、写真ではわかりにくいのですが、津波の水位を示す泥の線が、柱にくっきりと残っていました。
El aeropuerto de Sendai, cerca del area dibujado arriba. El edificio estaba cerrado todavía, ocupado por el barro.

仙台空港は海の近くなので、そこから車でちょっと移動すると仙台湾沿いの海岸に着きます。
--- そして、このあたりの様子が、今回の帰省で、私の心に最も印象深く残ったものになりました。
海岸に到着直前の、車内からの光景。
Escena del barrio cerca de la playa.

つい先頃まで、ビーチサイドの素敵な家だったはずの場所。
Esta casa totalmente destruida debería ser un lugar divertido antes del terrémoto.

昨年の夏までは、海水浴客が行き来していた(小学校の時、私も訪れた)に違いない、砂浜に至る堤防。
El muro de la playa, que pasaban muchos visitadores para llegar a la playa, hasta el verano pasado.

そして、地震から約3週間を経た後、今では残酷なほどに静かに、青く、美しく広がる海と砂浜。
La playa y el mar estaban demasiado tranquilos, azules y lindos, despues de tres semanas del terrémoto.

仙台湾の広い砂浜にほど近い、穏やかなビーチサイド。 そこに、おそらくはそのような場所にあこがれて建てられた家々。
何もなければ、ただただ美しく、青い海と砂浜。
これらは、あの日のあの時間までは、確かにここに存在していたはずのものでした。
誰も予測しなかった激しい大地の揺れと、千年に一度の大波が、突然ここに押し寄せるまでは・・・
・・・ 私は海に行くのは大好きですが、今年からは、海水浴に子供を連れて行く度に、この日にこの場所で見た光景が、残酷な印象とともにずっとよみがえり続けるであろうと思います。 ・・・
最後にこの地の堤防の様子。

写真で一番手前の左半分に写っている大きなコンクリートの塊は、向こうに見えている堤防の礎石が打ち砕かれてここまで流されてきたものです。 津波の破壊力の大きさに、ただ驚くばかりです。 ちなみに、これよりももっと大きなコンクリート塊が、もっと遠くまで流されているところもありました。
Encontré un bloque grande, una parte del muro, que se ha destruido por Tsunami y se llevó unos dies metros. Me sorpresaba la fuerza de Tsunami de esta ocasión.
津波の痕は、ニュースで見るよりも遙かにすさまじい、文字通り想像を絶するものでした。
子供たちにどれほどの印象が残ったかは分かりません。 まだ理解できないかも知れません。 でも、この日の写真は大事にとって置いて、いずれまた子供たちに見せながら、この日私が抱いた印象について話をしてみようかと思っています。
今月初め、連休で仙台に行った目的の一番は、父の家の片付けと、また父に孫たちを会わせて喜んでもらうことでした。
ですが、今回は幸い、少し日程に余裕を持って仙台にいられたので、その間の半日を使い、子供たちに「被災地」を見せることにしました。 本当は無事だった親戚たちに会うために陸前高田に行き、その折に子供たちに津波の様子を見てもらうという風にしたかったのですが、連休中あちらは相当混雑したらしいので断念し、今回は仙台市沿岸部の津波被災地に行くことにしました。 そしてその様子を子供に見せるだけでなく、私自身も見ておこうと思いました。
En el area del desastre por Tsunami. El area costal de Sendai.
父の家は仙台でも少し内陸の方なので、津波の被害はまったくありませんでした。 そこから沿岸部に向かって車を走らせ、仙台の市街地を東の方角に通り抜けます。 そしてそれから10分もしないうちに、車の車窓には思わず絶句するしかないような光景が突然広がりだしました。
Se dejaron muchos carros en el arrozar, con los restos de casas destruidas y árboles abatidos.
この日は雨模様だったのですが、適当なところで車を止めて、この地域を少し歩いてみました。
やはり、実際に間近で見る津波の爪痕は、本当に心臓が飛び出しそうになるような恐ろしさと、迫力をもって迫ってきました。
まるでおもちゃのように無造作に散らばる数々の自動車。 始めからなかったかのように押しつぶされた家々。
En un area del desastre por Tsunami. Las casas eran destruidas completamente y los carros se abandonaban por aca y ahi, como los juguetes.
この近辺でよく目についたのが流木でした。 それも相当な大木ばかりです。
ちょっと見えにくいですが、写真のずっと遠景の方に松林がごく小さく写っています。 この松なんかは、おそらくあの場所からここまで流されてきたのでしょう。 すさまじい光景でした。
Un tronco de pino abatido, probablemente se llevó de la costa, que se ven muy lejos en la foto ambiguamente.
「津波の痕を見ておこう」なんて言っても、まったく実感がわかず (と言うか、何のことか分からず)、ここまでいつものようにギャーギャー騒いでいた子供たち。
でもこの光景はさすがに、こんな子供たちをすら、思わず口をつぐませ、呆然とさせてしまうに足る、あまりにも凄惨かつ恐怖に満ちたものでした。
Los niños miran la escena del desastre, perdiendo las palabras.
もし何もなければ、この頃にはすでに田植えが始まり、青々とした田園風景が広がり始めていたはずの場所。同じ子供が走るでも、こんな光景の中を走るようなことを誰が想像したことか、と考えると・・・ 絶句するしかありませんでした。
Normalmente, en este tiempo, la plantación de arroz ya debería empezar. Pero este año, no hay ninguna cosa en la tierra, y se ven solamente los restos del desastre.
その後仙台空港に移動しました。
空港のターミナルビルはいまだに閉鎖されたままです。 仮囲いの隙間から中をのぞくと、建物の中は一面の泥で、さすがにこれでは再開できないのも、むべなるかなです。
実際にはこの日にはすでに一部の航空路の運行が再開しており、ターミナルはかろうじて片付けたほんの一角を使っていました。
なお、写真ではわかりにくいのですが、津波の水位を示す泥の線が、柱にくっきりと残っていました。
El aeropuerto de Sendai, cerca del area dibujado arriba. El edificio estaba cerrado todavía, ocupado por el barro.
仙台空港は海の近くなので、そこから車でちょっと移動すると仙台湾沿いの海岸に着きます。
--- そして、このあたりの様子が、今回の帰省で、私の心に最も印象深く残ったものになりました。
海岸に到着直前の、車内からの光景。
Escena del barrio cerca de la playa.
つい先頃まで、ビーチサイドの素敵な家だったはずの場所。
Esta casa totalmente destruida debería ser un lugar divertido antes del terrémoto.
昨年の夏までは、海水浴客が行き来していた(小学校の時、私も訪れた)に違いない、砂浜に至る堤防。
El muro de la playa, que pasaban muchos visitadores para llegar a la playa, hasta el verano pasado.
そして、地震から約3週間を経た後、今では残酷なほどに静かに、青く、美しく広がる海と砂浜。
La playa y el mar estaban demasiado tranquilos, azules y lindos, despues de tres semanas del terrémoto.
仙台湾の広い砂浜にほど近い、穏やかなビーチサイド。 そこに、おそらくはそのような場所にあこがれて建てられた家々。
何もなければ、ただただ美しく、青い海と砂浜。
これらは、あの日のあの時間までは、確かにここに存在していたはずのものでした。
誰も予測しなかった激しい大地の揺れと、千年に一度の大波が、突然ここに押し寄せるまでは・・・
・・・ 私は海に行くのは大好きですが、今年からは、海水浴に子供を連れて行く度に、この日にこの場所で見た光景が、残酷な印象とともにずっとよみがえり続けるであろうと思います。 ・・・
最後にこの地の堤防の様子。
写真で一番手前の左半分に写っている大きなコンクリートの塊は、向こうに見えている堤防の礎石が打ち砕かれてここまで流されてきたものです。 津波の破壊力の大きさに、ただ驚くばかりです。 ちなみに、これよりももっと大きなコンクリート塊が、もっと遠くまで流されているところもありました。
Encontré un bloque grande, una parte del muro, que se ha destruido por Tsunami y se llevó unos dies metros. Me sorpresaba la fuerza de Tsunami de esta ocasión.
津波の痕は、ニュースで見るよりも遙かにすさまじい、文字通り想像を絶するものでした。
子供たちにどれほどの印象が残ったかは分かりません。 まだ理解できないかも知れません。 でも、この日の写真は大事にとって置いて、いずれまた子供たちに見せながら、この日私が抱いた印象について話をしてみようかと思っています。
地震その後 2 [雑感、コラム]
一昨日私の父が、三陸の実家のある町に車で乗り込み、状況を見てきました。
目的地は何度か報道されている陸前高田です。 うちの実家は、その町からさらに岬の方に入り込んだところにあります。 父によれば、途中の道路は一応通ってはいるものの交通規制が厳しく、父はその都度事情を話しながら通してもらったということです。
また昨日は、知人親類の安否を触れ回るために一時的に盛岡に移動した親戚から電話がありました。
父、親戚の話を聞くと、地元は一部では想像を絶する惨状であり、また幸いにも他の一部ではそれほどでもないところもあり、ということ(当たり前ですが)で、かなり詳細が分かりました。
親族は無事が分かった人が多く、あの地区では奇跡的なことだと思いました。
ですが、私が親同然にかわいがってもらった祖母方の叔母ユキとその家族は、絶望的とのことでした。 報道で流された町の状態を見て、この人たちについては覚悟していましたが。
でも私としては、どこに流されてしまったか分からない、というのが一番いやです。 不謹慎かも知れませんが、どんな見つかり方でもいいから見つかってほしいです。 ユキおばさんには、たとえどんな姿になっていてもいいからもう一度お目にかかってからお別れしたいです。
地元の消防や警察は全部海に流されてしまったので、全国各地から駆けつけた方々のお世話になっているようです。
うちの地元は、警察は京都府警、消防は大阪と九州の混成部隊とのことでした。 電話してきた私の親戚は、地元のがれきの山に沿って 「北九州市消防」 と大書されたレスキュー車が十数台も延々と並んでいるのを見て、「これで大丈夫だと思った」、と言っていました。 要するに、そんな遠くから救援に来ていただいたのを見て有り難く、また力づけられたと思ったということでしょう。
また彼は、「あんたの家のあたりは、大阪の 「きめん」 というところの消防車が来ていたぞ」 と。
私も大阪とか関西の地理には疎いので、へえ、そんな地名の町が大阪にあるのかと思いましたが、一応その 「きめん」 というのはどういう漢字を書くのかと聞きましたら、どうも 「箕面」 のことのようです。 これはたしか「みのお」と読むのですよね。 箕面の方には申し訳ないですが、東北の寒村にずっとこもって暮らしている人間にとって、関西地方というのはかくも遠いところなのだということでお許し下さい。 実は私も大同小異です。
でもとにかく、箕面、北九州、京都、「かくも遠いところ」から、本当に有り難く思います。 東京にいる私も勇気づけられます。
目的地は何度か報道されている陸前高田です。 うちの実家は、その町からさらに岬の方に入り込んだところにあります。 父によれば、途中の道路は一応通ってはいるものの交通規制が厳しく、父はその都度事情を話しながら通してもらったということです。
また昨日は、知人親類の安否を触れ回るために一時的に盛岡に移動した親戚から電話がありました。
父、親戚の話を聞くと、地元は一部では想像を絶する惨状であり、また幸いにも他の一部ではそれほどでもないところもあり、ということ(当たり前ですが)で、かなり詳細が分かりました。
親族は無事が分かった人が多く、あの地区では奇跡的なことだと思いました。
ですが、私が親同然にかわいがってもらった祖母方の叔母ユキとその家族は、絶望的とのことでした。 報道で流された町の状態を見て、この人たちについては覚悟していましたが。
でも私としては、どこに流されてしまったか分からない、というのが一番いやです。 不謹慎かも知れませんが、どんな見つかり方でもいいから見つかってほしいです。 ユキおばさんには、たとえどんな姿になっていてもいいからもう一度お目にかかってからお別れしたいです。
地元の消防や警察は全部海に流されてしまったので、全国各地から駆けつけた方々のお世話になっているようです。
うちの地元は、警察は京都府警、消防は大阪と九州の混成部隊とのことでした。 電話してきた私の親戚は、地元のがれきの山に沿って 「北九州市消防」 と大書されたレスキュー車が十数台も延々と並んでいるのを見て、「これで大丈夫だと思った」、と言っていました。 要するに、そんな遠くから救援に来ていただいたのを見て有り難く、また力づけられたと思ったということでしょう。
また彼は、「あんたの家のあたりは、大阪の 「きめん」 というところの消防車が来ていたぞ」 と。
私も大阪とか関西の地理には疎いので、へえ、そんな地名の町が大阪にあるのかと思いましたが、一応その 「きめん」 というのはどういう漢字を書くのかと聞きましたら、どうも 「箕面」 のことのようです。 これはたしか「みのお」と読むのですよね。 箕面の方には申し訳ないですが、東北の寒村にずっとこもって暮らしている人間にとって、関西地方というのはかくも遠いところなのだということでお許し下さい。 実は私も大同小異です。
でもとにかく、箕面、北九州、京都、「かくも遠いところ」から、本当に有り難く思います。 東京にいる私も勇気づけられます。